といっても、私ではなく娘の話。

用事があって娘と2人で歩いていたら、献血センターの方が「今献血をする人が少なく、血液が不足する恐れがあって困ってます。ぜひぜひ、ご協力、お願いします」と呼び掛けている。娘は前に献血してから4か月以上過ぎていたし、急いで帰る必要もなかったので「困ってるみたいよ。TVでも言ってた。協力したら?」とそそのかして、娘を決心させた。

背中を押したものの、私は持病があるので、献血はできない。何して待ってようかな…と思ったのだけど、お連れ様もお願いしますと検温をして、どうぞと待合室に通されたのでお言葉に甘えて座って待つ。献血する人が水分補充をするためのフリードリンクやサービスのお菓子も、どうぞどうぞと勧めてくれるので、それも頂く。

なんだか「子どもの血を売って飲み食いする母」って感じでちょっと恥ずかしい。

娘は朝からあまり水分を取っていないことを気にしていたのだけど、献血前にアクエリを一本飲み、無事に献血は終了。水分を補充しながら休んでいると「気持ち悪い、よしかかって良い?」と言ってくる。良いよと肩を貸したけど、横になりたかったのか、自分で係りの人に気持ちが悪いことを伝える。すぐにソファーに横にして、看護師さんがかけつけてくれて、血圧を測ったり、問診をしたり…。

少し落ち着くと、ベッドに横になるために移動してしまったので、ただぼ~っと座って待っている私。

お医者さんが説明に来てくれて「こんな事いってはなんですが、こういうところにいると、よくあることなんですよね。お嬢さんは自分で気持ち悪いと言えたし、顔色もそこまで悪くないけれど、吐いたり、真っ青になったり、倒れてしまう人もいるので、これくらいなら、すごく軽いほうなんですよとニコニコと優しい笑顔でおっしゃる。

実は、前に一緒に温泉に行って、上がった後に全く同じような症状になった時があって、その時は施設の人がバスタオルを二枚持ってきてくれて裸のままでベンチに敷いてもらったバスタオルの上に横たわって、上からもバスタオルをかけてくれて、しばらく休んでいたら大丈夫になった。

その時に比べたら服も来ているし、お医者さんも看護師さんもいるし、全然不安を感じなかったのだけど、はたから見るとかなり薄情な親って感じだったかも💦

温泉の時は低血糖かな?と思ったのだけど、どうやら「迷走神経反射」ってものらしい。

これ、施設で働いていた時に、急に利用者様が倒れて、物音で慌ててかけつけて、少しけいれんもしていたので、吐しゃ物を詰まられないように横向きにして、どれくらい失神していたか時間も測って、他の職員に同じ法人の看護師さんを呼んで貰って…と、けっこう落ち着いて見えたかもしれないけれど、怖くて泣きそうだった。

それが自分の娘だと、全然怖くないのは何故?普通逆だろう。まぁ、お医者さんじゃないけど、失神もしてないし、比較的元気だからなのかな。看護師さんも「顔色みたいからマスク外してね」って言って、はずしたら「口に何か塗ってる?」って聞いて、塗っていないと答えたら「若いって良いわね。何も塗らなくても綺麗な色ね」って気分を上げてくれてたけど、たぶん、ビックリするくらい血色が良かったんだと思う。

「血管迷走神経反射」は圧倒的に女性の若年者に多いらしいので、5年くらいは献血しないほうが良いのかな。栄養とか運動とか、何かで改善できるのであれば力になりたいけど、いくら親でも本人が望まないことは出来ない。

娘はトラウマになってしまったかも知れない。勧めなきゃよかったな。かわいそうな事をしてしまった。