3件目はせっかくなので、普段から親しみのある製品を作っている工場に応募してみた。

遠い。常勤なら考えられない遠さ。交通費が出るからいいかなと応募したけど、9時から勤務だけど、30分前には着いてなきゃいけない決まりなので、6時には娘のアパートを出る。

歩いて駅まで行って電車に乗って、少し歩いて他社の電車に乗り替えて、少し歩いて他社の電車に乗り替えて、駅の近くのバス停からバスに乗って、降りてから10分くらい歩いて、ようやく到着。

食品の製造工場だからか、制服の着方も、手洗いやクルクルで洋服の汚れを取ったり眉毛やまつ毛をシールにくっつけたり、空気のクリーンシャワーを浴びるのも一緒だったのだけど、この工場ではほどんど説明がない。最初のバイトしてなかったら困ったろうな。未経験者歓迎ってなってるのに…。

同じところで紹介された、この日が初めてって人は3人いたのだけど、他の2人は若い女の子で一緒の場所に配属、私だけ別の場所になる。正直こんな何も教えてくれないところに一人で放り出されるのは不安だなと感じる。心細い。

最初は簡単な作業を2人がかりで行ってゆっくりだったのだけど、バイトが予定より少ないとかで、途中から1人になって急に忙しくなる。だんだんと遅れて、SOSを出すと、社員さんがものすごい速さでさばいてくれる。そっか、作業が早い人にとっては1人でも余裕のスピードだったのかと落ち込む。

コツも教えてもらって、なんとか一人でこなせるようになったところで、その工程は終わり、昼休憩。

お弁当持参と書かれていたので、お弁当持って行ったけど、社食があって誰でも利用できるシステムだった。カレー、安くて美味しそうだったな。その工場で作っている食品は格安で購入できるので、なんだかんだと150円分買ってウキウキ。悲しかった気分が少し持ち上がる。

午後は、午前中とほぼ同じ作業を少しした後で、もうちょっと難しい工程に移動。

ところが、ここでミス連発。私のせいでたくさんの廃棄を出してしまった。ほぼキレイにできているのに、ちょっと傷をつけてしまったせいで、売り物にならない。食べ物を粗末にしてしまった。悲しい。勿体ない。

傷つけないように丁寧にすると、今度は「遅い、急いでください」と言われ、急ぐとまた廃棄を出し…。そのうちに、最初の場所に戻された。元々作業していた人が昼休憩から戻るタイミングもあったのだろうけど、使い物にならないと判断されたってものあると思う。落ち込んでも仕方ないとわかってるけど、落ち込む。

この後は午前中一人でしていた作業を、何度かアルバイトに入っているという若いお兄ちゃんと一緒にすることになったので、余裕ができておしゃべりまでしてしまった。仕事できないのに、おしゃべりしているオバサンって悪いよな。

悪いと思っても話しかけられると応えてしまう。だからって叱られたり、別の作業をさせられたりはしない。たぶん、予定数のバイトが来ていたら、こんな風にのんびり作業できたのだろうな。

その作業も終わって、次の作業では何もできずに待っている時間が長い。良いのでしょうか?と聞いてみたけど「良いですよ、待っててください」と言われるので、立ってキョロキョロ仕事をしている人たちを見学。

自分が初めての人を使う立場なら、仕事を作ってどんどん働いてもらうよりも、ただ待っていてくれたほうが助かるって理解できるけれど、もっと器用ならできることもあるのだろうに…と、申し訳ない気持ちになる。

最後に掃除や使った道具の洗浄で、ようやく役に立てると張り切っているうちに退勤時間。

いいとこなかったな。こういう初日にダメだったところは、リベンジというのは考えない方が良い。多少上達したところで、普通の人のレベルになるくらいで、向いている人になんてなれないってことは経験で知っている。凸凹が大きいのが私の特性で、この職場では凹ばかりだ。

先月で辞めた職場のように、生活がかかっているのであれば、それでも頑張るけど、こんな興味本位でやっている単発バイトでムキになっても仕方がない。名誉挽回、汚名返上なんて考えず、ダメな人っていう評価を受け入れ、二度と行かないのが賢明だと思う。

仕事できなくて迷惑かけちゃったけど、ここの職場はいろいろ勉強になった。

・働くなら近くが良い。今回は初めて行った場所だったので、乗り換えに迷わないか不安だったのが、5分以上の乗り換えのための徒歩は、大勢の人が同じ方向に移動して、全く迷うことがなかったとか、西武の特急は特急料金がかかるとか、スタートとゴールが一緒でも、行き方によって値段が違うとか、いろんな発見があって楽しかったけど、毎日は耐えられない。

・私は食品の製造工場には向かない。思った以上に苦手だし、迷惑をかけてしまう。給食も全然ダメだったもんな。

・着替えが必要なところは、洋服は汚れなくて良いけれど、着替えのための時間がもったいない。時間丁度に終わっても、着替えて工場を出たのは20分も後。大勢で着替えるのでクリーニングに出すための入れ物に入れるって作業だけでも待ち行列ができて時間がかかる。

娘のアパートに帰ると、もう夜の9時。8時間の仕事のために15時間も使ってしまった。これで時給は東京都の最低賃金くらい。やれやれ・・・。

ま、交通費だしてもらって、工場見学の小旅行したと思えばよいか。それでお給料まで貰えてラッキー♪

2件目の仕事が楽しいし、向いていると感じたので、あとは浮気せずに同じところに応募する。…予定だったのだけど、休もうと思っていた日に娘のアパートからすごく近い場所の募集があったので、ポチってしまった。一つは落選、もう一つは有難く選考してもらえる。

という訳で、4件目に続く・・・。